2023/08/03
碌山美術館に行ってきました。最寄の穂高駅周辺も少し散策してみました。
そのときの写真です。
2023/04/01
昨年散歩したときの写真です。名古屋の中川運河と浜名湖の周辺です。
2023/01/04
以前の日記から間が空いてしまいましたが、雨庭の計算をしてみようと思います。まずは現状の針崎の住宅を例に、どのくらい雨水の流出抑制が期待できるか確認してみます。
ここでは、島谷ら(文献1)の方法を参考に、敷地からの1時間あたりの流出高(mm/hr)を計算してみようと思います。この方法で計算できるのは、あくまで「推定流出高」ですが、敷地からの流出がどの程度か、おおよそ分かるのではないかと思います。
下の画像は針崎の住宅の敷地を示した図です。
これを「現状プラン」とします。屋根、土間コンクリート(土間コン)、土・植栽、砕石の4種類で分けています。このうち貯留・浸透機能を持つ雨庭に相当するのは土・植栽と砕石です。屋根に降った雨水は、樋から配管によって下水道に放流しています。土間コンへ降った雨水はそのまま道路側溝へ流出することにします。
現状プラン
現状プランでは、敷地の北東角部分を植栽にし、南側は土の部分を残しています。その他は砕石敷きがメインの駐車スペースとしており、土間コンの面積は最小限にしています。
針崎の住宅の計画段階では流出抑制のことは考えておらず、土間コンの面積を最小限にしたのは、コストを抑えるためでした。結果的に、流出抑制が期待できる部分(土・植栽、砕石)の面積は、敷地面積に対して57.7%となり過半となっています。
現状プランの土間コン面積は、一般的な住宅と比べるとかなり小さいと思われます。そこで比較のため、土間コンを広めにした場合も想定してみることにしました。「土間コン広めプラン」と呼ぶことにします。土間コン広めプランの敷地を下の図に示します。
土間コン広めプラン
土間コン広めプランでは、東側と南側のほとんどを土間コンにしています。土間コン広めプランの、流出抑制が期待できる部分(土・植栽、砕石)の面積は、敷地全体に対して11.4%であり、現状プランからかなり減少しています。
土間コンが少ない現状プランと、土間コン広めプランの流出高をそれぞれ計算して、比較してみようと思います。
流入量を計算するのに必要な対象降雨は、岡崎市の総合雨水対策計画(文献2)を参考に設定します。これについては、2022年3月12日のmemoでも触れました。今回は対象降雨を70mm/hrにして検討してみようと思います。
岡崎市の計画では、河川・下水道の整備目標の降雨は50mm/hrです。70mm/hrの雨が敷地に降ったとき、敷地からの流出高が50mm/hrより小さければ無理なく河川や下水道に流すことができ、50mm/hrより流出高が大きければ河川や下水道の能力を超えてしまう(水があふれる)、ということになります。
ここからは具体的に計算してみたいと思います。まず、現状プランの場合の推定流出高を計算してみます。
敷地への流入量は、対象降雨×敷地面積とします。計算すると、流入量は下の表のようになります。
つづいて貯留・浸透部分の計算です。
土・植栽部分については、水やりや通常の雨のときに表面から流出することはなく,水が浸透していくのを確認しています。ここでは、土・植栽部分は表面から浸透するものとし、貯留はなしと仮定します。土・植栽部分の面積×浸透能で浸透量を計算します。浸透能の値は、2022年3月30日の日記で求めた、45mm/hrを使います。
砕石部分は厚さ100mmで、間隙率40%(文献1)とします。貯留量は砕石部分の面積×厚さ×間隙率、浸透量は砕石部分の面積×浸透能とします。
貯留量と浸透量を計算すると下表のようになります。ここでは、貯留量と浸透量の合計を流出抑制量と呼ぶことにします。
流入量から流出抑制量を引いて流出量とします。そして、流出量を敷地面積で割って、推定流出高を求めます。その結果は下の表のようになります。
現状プランでは推定流出高は31.1mm/hrとなり、河川・下水道整備目標の50mm/hr以下になりました。このように現状プランでは、流出抑制がある程度期待できる結果になったと思います。
次に、土間コン広めプランを計算してみたいと思います。土間コン広めプランでは、土・植栽および砕石部分の面積が、現状プランに比べてかなり少なくなっています。現状プランと同様に、推定流出高を下の表のように求めました。
土間コン広めプランの推定流出高は62.6mm/hrとなり、50mm/hrを上回りました。対象降雨が70mm/hrですので、流出抑制効果はほとんど期待できないことが分かります。
今回計算してみて、砕石敷きの面積を広めにとることができれば、厚さが100mm程度でも、ある程度の貯留量・浸透量を確保できる可能性があることが分かりました。土間コンの面積を抑え、砕石敷きにすることでコスト低減にもつながりますので、導入しやすい手法なのではないかと思います。流出抑制効果をより高めたいのであれば、砕石層を厚くするなど調整もしやすいと思います。部分的に深い砕石層をつくってもいいかもしれません。
雨庭は砕石と植栽を組み合わせて、魅力的な庭としてつくることもできますし、そうすることが望ましいとは思います。ただ、個人が建築主の戸建て住宅では、予算の都合などで難しい場合もあると思います。まずは、「駐車場は土間コンを小さめにして、砕石敷きをメインにする」、「土の部分もある程度残しておく」など、取り組みやすいことから手をつけてみるのも、よいのではないでしょうか。
参考文献
1. 大目雅公, 田浦扶充子, 森山聡之, 島谷幸宏: 流出抑制型の雨庭の開発と効果検証, 土木学会論文集B1(水工学), Vol.76, No.2, I_799-I_804, 2020.
2. 岡崎市総合雨水対策計画, 平成28年7月, https://www.city.okazaki.lg.jp/1550/1566/1635/p020024.html, 2023年1月3日閲覧.